「蔵」は男のロマンである-最終回

こんばんは!田村です。
これまで3回にわたって連載してきました『喜多方|男のロマン』 シリーズ。本日いよいよ最終回です。

第1回 ⇒ http://www.workvisions.co.jp/weblog/2013/05/31/%E3%80%8C%E8%94%B5%E3%80%8D%E3%81%AF%E7%94%B7%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%8D%E3%81%9D%E3%81%AE%EF%BC%91/

第2回 ⇒ http://www.workvisions.co.jp/weblog/2013/06/20/%e3%80%8c%e8%94%b5%e3%80%8d%e3%81%af%e7%94%b7%e3%81%ae%e3%83%ad%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%81%a7%e3%81%82%e3%82%8b%ef%bc%8d%e3%81%9d%e3%81%ae2/


第3回 ⇒ http://www.workvisions.co.jp/weblog/2013/07/05/%e3%80%8c%e8%94%b5%e3%80%8d%e3%81%af%e7%94%b7%e3%81%ae%e3%83%ad%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%81%a7%e3%81%82%e3%82%8b%ef%bc%8d%e3%81%9d%e3%81%ae3/

きょうは最終回にふさわしく、蔵の町 喜多方の男のロマンの神髄ともいえる「蔵にまつわることわざ」の数々を紹介したいと思います。

「下戸の建てたる蔵はなし」
酒どころ喜多方で、酒が飲めないようでは男じゃない!
蔵を建てるような男は豪快・太っ腹!!
蔵は酒を飲み飲み建てるもの。

「年増女房もらえば、蔵が建つ」
年上の女と結婚すれば、家事、育児、家計のことは万端しっかりしているから、亭主は家のことを心配せず、
仕事に精が出せる!

「仲人は、蔵三つまでサバをよんでよい」
縁談を取り持つ際に、相手の資産状況を尋ねられたら、多少多めに答えてもよい!

「味噌買う家は、蔵が建たぬ」
暮らしになくてなならない味噌は自分で作るのが当たり前。
お店で買うようなら蔵を建てられるだけのお金は貯まらないぞ!

「ぼんくら(盆蔵)」
土蔵づくりは寒い時期にやらないと、夏のお盆の頃に造られた蔵は土の表面ばかりが乾いて役に立たない!
※ 以上「デジャヴな街喜多方 超時空浪漫紀行」 発行|地域メディア研究所より

さらに、極めつけが、「男四十で蔵を建てられないでは、一丁前ではない!」 となるわけです。

どうです?ことわざ。
ひとつひとつの言葉から、喜多方男子の 「男気」「甲斐性」 そして 「壮大なロマン」 がこれでもか?というほど
伝わってきませんか?
若干、見栄っ張りなところもありそうですが、そこがまた味があっていい「ことわざ」です(笑)

これでは、江戸時代から代々次の世代に継がれてきたこれらの蔵を、いまの時代に若い人が守っていくのは、
プレッシャーも大きくて本当に大変だなぁとつくづく思います。
それでも、喜多方の若い世代は、知恵と工夫と技術を生かしながら、
時に 「古いを新しい」 に変えながら蔵に新たな息吹を吹き込んでいます。
例えば、味噌・醤油醸造蔵元「金忠」 さんの店内にある椅子。

もともとは昔の味噌樽に使われていた木材を再利用してつくられているのだそうです。


金忠さんのサイトより転載

椅子として生まれ変わる前に、まずは長年しみついた「匂い」 が消えるまで乾燥させて待つのが大変だったとか(笑)
それでも、地元の大工さんによる丁寧な加工によって、釘の1本も使われず、素敵な椅子に生まれかわっています。

金忠さんの奥の「二十間蔵」 さんでは、昔のままの照明がそのまま残っていました。

長い年月、継がれてきた「男のロマン」 の精神がいまの若い世代にも、しっかりと息づいているのだと感じました。

先週末、大河ドラマ「八重の桜」ではとうとう鶴ヶ城(若松城)が開城されました。
今回、私が連載してきた「蔵」の風景は、江戸時代、会津若松と米沢を結ぶ街道の要衝として栄えた
商工の町-喜多方の風景です。

特に、喜多方市のほぼ中央を流れる小田付川の東に位置する小田付地区(江戸時代は小田付村)には、
江戸時代末期、有力な商人が軒を連ね、幕末の戊辰戦争では、この小田付村の商人によって
会津藩の莫大な戦費のかなりの部分が負担されたという記録が残っているのだそうです。

現在でも当時の町並みが残る「小田付地区の蔵通り」を歩き、路地を通り抜けると、
ふと、江戸時代の威勢のいい商人さんの話し声が聴こえてきそうな感覚になります。

そして、この小田付では、このまちを愛し、歴史に残る戊辰戦争を裏舞台で支えた誇り高き商人の末裔として、
昔ながらのまち並みを守りながら、より魅力的なまちに再生させていこうという活動を続けられている
会津北方小田付郷町衆会」 の皆さんと出会い、
また将来この町を支えて行ってくれるであろう、地元の高校生たちとの出会いもありました。

この喜多方の「蔵のある風景」は、きっとこの粋で素敵な地元の皆さんが守り、
そしてもっともっと魅力的な町に育てていかれるのだろうと思います。

皆さん、もし東北に足を運ばれる機会がありましたら、「男のロマン」 溢れる喜多方小田付の町を訪れてみて下さい。
まるでそっと語りかけてくれるような蔵の風景と、
おおらかで、人情味豊な素敵なおじちゃん、素敵な若者に出会えますよ。

< Yukari Tamura >

 

Posted in まちづくり, 建築, 歴史.