「蔵」は男のロマンである-その3

こんばんは!昨日の WORKVISIONS-Facebook 更新に続いて、なぜか本日もBLOG当番でして(汗)
お陰さまで好評を頂いております「喜多方|男のロマン」シリーズの第3回です。

第1回 ⇒ http://www.workvisions.co.jp/weblog/2013/05/31/%E3%80%8C%E8%94%B5%E3%80%8D%E3%81%AF%E7%94%B7%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%8D%E3%81%9D%E3%81%AE%EF%BC%91/

第2回 ⇒ http://www.workvisions.co.jp/weblog/2013/06/20/%e3%80%8c%e8%94%b5%e3%80%8d%e3%81%af%e7%94%b7%e3%81%ae%e3%83%ad%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%81%a7%e3%81%82%e3%82%8b%ef%bc%8d%e3%81%9d%e3%81%ae2/


きょうのお題は「蔵のお洒落」について。
相変わらず徒然なるままにしたためたいと思いますのでおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

喜多方には、いまなお4,000棟もの蔵が現存し、人々の暮らしの中で代々受け継がれてきたことは既にお話しましたが、
実際に街並みを歩いてみると、それらの蔵は実にさまざまな表情で語りかけてくるように感じます。
その表情のひとつが「窓」。

土、漆喰、レンガ・・・建築様式や仕上げによって、カタチも納まりも様々です。



そして、この窓が、蔵全体のヴォリュームとファサードに対して、絶妙なバランスで配置され、
そのままある種の個性となっているように思います。

そんな「窓」の、特に代表的な『観音開きの扉』のディテールについて、少し詳しく書いてみます。



扉についている小さな段差。
これは「煙返し」と言って、名前の通り、扉を閉めた時に隙間を遮断して防火性を高めるためのもの。
煙返しの段数に合わせて、外から見た開口部は内側に向かってパースが効いて見えます。
一方、開け放った扉の方は、段々が重なって台座のよう。
この段々の部分を棟梁や左官職人さんは「襞(ひだ)」と呼びます。

そして、「襞」を額縁と見立てて扉の内側の「小面」の部分に花や鶴、亀のような「鏝絵」が描かれるわけです。

蔵のことが書かれた本によると、この「鏝絵」、お施主さんの依頼ではなく、
なんと職人さんの『ノリ』で描かれることもあったのだとか。

また、観音開きの上に重なる方を「男戸」、下になる方を「女戸」と呼び、
漆喰の白と黒を塗り分けてコントラストをつけることで、より意匠性を強調しています。

これぞまさに、『用』、『強』、『美』 の神髄!
なんとも粋でお洒落ではありませんか。

光と闇を巧みに操りながら、気品漂う蔵の窓。
この静かな表情に、喜多方-蔵の街並みの魅力が凝縮されているように感じるのは、私だけでしょうか。

さて。次回はいよいよ 男のロマンシリーズも最終回をむかえます。
ぜひ最後までおつきあいくださいませ。

それではまた。

< Yukari Tamura >

 

 

Posted in 建築, 歴史.